- 久しぶりに点滴するけど心配だな?
- 点滴の手順ってどんなだったかな?
- 失敗したくないし点滴のコツとかないかな?
と疑問に感じたことはありませんか?
看護師をしていると、避けては通れないのが点滴の留置です。
看護師にとっては点滴や採血は花形業務である一方で、苦手にしている看護師も少なくありません。
当サイトの管理人も精神科に勤務しているので、アルコール依存症や薬物依存症の患者が来ない限りは点滴の留置をしないので、来たらドキドキしてしまいます(笑)さすがに数をこなしてるので点滴留置はできますけどね(笑)
今回は、看護師の必須技術である点滴の手順やコツを解説していきます。
点滴ルート確保が苦手で『点滴が無ければ楽しく看護師ができるのに…』と考えているあなたは危険。
点滴に失敗すると看護師としての自信をどんどん失っていき、先輩看護師やお局看護師からもいじめの対象にされるリスクも。
あなたにはそんな思いをしてほしくない!!
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- 点滴必要物品を準備して、患者の本人確認をする
- 【STEP1】点滴で使うものを使いやすいように準備する
- 【STEP2】駆血帯を巻く
- 【STEP3】点滴留置針を刺す場所を決める
- 【STEP4】点滴留置針を刺す部位を消毒する
- 【STEP5】皮膚を引っ張って血管を固定する
- 【STEP6】点滴留置針を血管内へ穿刺する(刺す)
- 【STEP7】駆血帯を外し、内筒と外筒を分離する。
- 【STEP8】点滴ルートと留置針外筒を接続する。
- 【STEP9】点滴を滴下して血管内に入っていることを確認する
- 【STEP10】留置針、点滴ルートを固定する。
- ヘパリンロックする8つの手順
- 上肢で神経損傷のリスクのある血管とは?
- 下肢で点滴ができる穿刺部位とは?
- 新人看護師が辞めたくなる点滴あるある話
- 点滴が嫌で辞めたくなった時の5つの対処方法
- 【まとめ】点滴をマスターして頼られる看護師を目指そう!
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点滴必要物品を準備して、患者の本人確認をする
点滴の指示を確認しながら点滴ラインを組みます。
指示書を傍らに置いて、薬剤アンプルや輸液バックを指差し確認、声出し確認しながら確認を行います。一つ一つ指示書の薬剤名の横をペケで印をつけながら行うと間違いが少なくなります。
点滴に必要な物品をトレーに乗せて、不足物品がにないように準備します。点滴留置針を刺した後にドレッシング材がないとわかっても取りに行くのは難儀です。
患者の本人確認は5Rの確認に従いながら行います。また点滴の目的やどのような方法で行うのか必ず説明を行います。
指示書通りに点滴ラインを組むのは当然ですが、患者のバイタルサイン、全身状態、アレルギー、既往などを確認してアクシデント防止に努めましょう。
【STEP1】点滴で使うものを使いやすいように準備する
点滴をするときには、留置針を刺して、ルート接続、滴下確認などとやることが満載です。
点滴留置針を刺す前に、留置針固定用テープの準備、ルートキャップをゆるめる、トレーの中を使いやすいようにセットする、
バイオボックスを捨てやすい位置にするなどなど、自分が点滴をしてからの動きをイメージしながら患者の側に整理して準備しておきましょう。
焦りは失敗を生みますので、万全の体制で点滴に挑みましょう。
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【STEP2】駆血帯を巻く
患者の点滴留置針を刺す場所を露出させて、駆血帯を巻きます。
駆血帯がゴムだけのもの、クリップ付きのものさまざまです。クリップ付き駆血帯で巻くときには、駆血帯で患者の肉を挟まないように注意しましょう。看護師人生、必ず一回はしますよね笑
駆血帯を巻く位置は穿刺部位よら10cm程中枢側に巻くのがベストです。駆血帯より遠い位置で刺すときには血管の怒張が弱いです。
そうは言いつつも上腕に駆血帯を巻くことがほとんどですけどね(笑)
駆血帯を巻きすぎるとカリウムの値が高くなる偽性高カリウム血症になったり、患者の腕が痺れてきたりしますので注意が必要です。
【STEP3】点滴留置針を刺す場所を決める
駆血帯を巻く時と、血管が怒張しますので、点滴留置針を刺す場所を視覚的に、触知的に探し、点滴を留置する場所を決めます。
点滴留置針を指す血管は、まっすぐで弾力があるものがベストですが、ケースバイケースで柔軟に対応しましょう。
患者がよく点滴をしている患者であればよく点滴を留置しているところを聞くのも一つの手です。
点滴留置に適した血管と適さない血管がありますので確認しておきましょう。
点滴に適した血管
点滴留置に適した血管とは、まっすぐで弾力があり、関節部や利き手ではない血管です。
- まっすぐ
- 弾力がある
- 留置針の長さが十分入る長さ
- 関節の可動部位ではない
- 利き手ではない
上の図の通り、まっすぐであること、紫色に見えるのが静脈ですし、仮に紫色に色がついていなくても、表層にプクッと浮き上がっていれば静脈ですので点滴留置に適しています。
また、Y字に分かれている又の部分からまっすぐに伸びている血管は、血管が逃げにくく点滴がしやすいです。
最後に重要なのは、点滴留置針が入る十分な長さがあるかです。
長さが十分でないと、留置針が血管を突き破ったり、うまく血管内に留置できなかったりします。
また見かけだけでなく、自分の手で血管を触って血管の弾力や硬さを確認しましょう。
血管を実際に触ってみて、ググっと、プニプニっと弾力があるものが点滴留置に適した血管です。
仮に触れてみてコリコリ、カチカチしている場合には避けたほうがよい血管です。コリコリ、カチカチした血管は触ればわかりますが、視覚的、触知的には左右に動く(逃げる)ので、良い血管かは触ってみて判断しましょう。
最悪、 血管がまっすぐで弾力があり、関節部や利き手ではないことという条件を満たしていれば、点滴留置に適した血管と言えます。
優先順位はありますが、最低限血管がまっすぐでないと留置しにくいので状況に合わせて血管を選択しましょう。
ちなみに下のように手首近くの血管(橈側皮静脈)は怒張していることが多く、点滴をしたくなります。しかしそこは採血・点滴を避けるべき神経損傷のリスクのある穿刺部位でもあります。
しかしすぐ横に橈骨神経が走行しているので、他の場所を探してもどうしても見つからないときの最終手段としておきましょう。神経損傷のリスクを避けるのも看護師に求められる能力の一つですよ。
点滴留置に適さない血管の特徴
- 蛇行している
- 血管がカチカチ
- 血管が点滴を留置するには短い
- 肘正中静脈などの関節部位
- 患者の利き腕
逆に点滴留置に適さない血管の特徴は、視覚的にも触知的にもクニャクニャと蛇行している血管です。また血管がカチカチで、触れると左右にグニャグニャと動き回るものも点滴留置には適しません。
蛇行している血管は、点滴留置針を刺したときに、血管を貫通させやすいです。また仮に穿刺に成功しても留置針が中で曲がったり、折れてしまったりと留置が上手くできません。
カチカチの血管は、血管壁が硬く脆く破れやすい血管です。刺した拍子に血管が破れてしまい、内出血して留置できなかったり、血管が硬く針から逃げて行ったりします。
また、関節部は患者の動きを制限しますので、なるべく避けるべきです。患者が関節を曲げたときに点滴の滴下が止まることもあります。
ただ、点滴に適した血管がなく病む終えないときにはその限りではありません。点滴1本や短時間で終わる抗生剤などであれば、正中で点滴を行ってもよいと思います。
利き手は言わずもがな患者を不便にさせるので避けるべきです。
ベットに臥床しがちな患者であれば、ベットに臥床したときに、ベットと接してしまう部位は、疼痛や点滴が漏れる原因になりますので、避けるべきです。
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【STEP4】点滴留置針を刺す部位を消毒する
点滴留置針を刺すところを中心から円を描くように消毒をします。
刺すところ以外の場所も広めに消毒して置きましょう。なぜなら、この後血管を固定するときに皮膚を引っ張るので、今の皮膚の位置からすこしずれてしまうからです。
アルコール消毒の場合にはアルコールが飛ぶ(揮発する)ときに消毒効果を発揮するので、しっかりと乾燥させます。
【STEP5】皮膚を引っ張って血管を固定する
点滴留置針を持っている手と逆の手の親指(人差し指)で、穿刺部位から数㎝下を引っ張り、血管が動かないように固定します。
ちなみに、血管の走行に合わせて抹消側に引っ張ると、血管にうっ血していた血液が流れてしまい、血管の浮き上がりが消えてしまい、血管を見失ってしまいます。
穿刺部位から抹消側やや斜め側に引っ張ることで、血管が消えずに固定することができます。血管を押さえて固定するのではなく、血管の上にある皮膚を引っ張り抑え付けるイメージで固定するとうまくいきます。
血管の斜め下方面に引っ張ることで、点滴留置針を穿刺する(刺すときに)に、固定している手が邪魔になりません。
やってみてればわかりますが、意外と固定している側の手が邪魔ってことがよくあります(笑)
血管が動かないことが重要なため、さまざまな固定方法があります。
例えば上の図に示したように、患者の腕の下に手を入れ込んで、左右に引っ張り広げて固定する方法もあります。管理人は意外とこれが多いかも。左手が点滴サーフローを刺すときに邪魔にならないのもGOODですよね。
そのほかの方法はあまり思い浮かびませんが、血管が固定できて、針刺し事故を起こさない方法であれば、血管を固定する方法は、自分独自の方法でよいと思います。
【STEP6】点滴留置針を血管内へ穿刺する(刺す)
皮膚から血管に針を刺す
血管を固定して穿刺部位を決めたら、いよいよ点滴留置針を皮膚から穿刺して、血管内へ留置します。穿刺したい血管の数㎜手前から針を刺していきます。
留置針を指す角度は5~20°と言われていますが、患者それぞれで穿刺しやすい角度は違いますので、経験数をこなして慣れていくことが大切です。
健康体な方の血管であればどのような角度で入れてもたいていは成功します。
しかし、高齢者や栄養状態が悪い患者だと浅い角度(5~10°)では血管がカチカチ、元気がなく、血管が針をはじいたり、逃げたりして、血管内にうまく入りません。
血管が硬くうまく入らない場合には角度をきつくしてまず血管に刺し入れましょう。血管内に入ってから、点滴留置針の角度を浅くして血管内に留置します。
点滴留置針内への逆血を確認して留置針を血管内へ進める
皮膚と血管の間を針が通る時がもっとも痛みを感じるので、できれば下の図のように、躊躇せずにスッと指すと「痛くない点滴をする看護師」になれますよ。
留置針が血管内へしっかり入っていれば、留置針内に血液が逆流してきます。
点滴留置針内に逆血してくる血液の量で血管内に留置針がしっかりと挿入できているかわかります。
例えば、血管内を外れてしまっている場合には十分な量が逆血してきません。
留置針の種類によって逆血してくる量は違いますが、私の病院で使っているメディキット株式会社のスーパーキャスであれば、持ち手の半分ほどまで逆血が確認できれば血管内に入っています。
逆血が十分になくても入っていることもありますが、こればかりは経験で得ていく感覚です。
点滴留置針内に逆血があれば、血管に入ったサインですので、針の角度を浅くしてより、奥に挿入していきます。
ある程度点滴留置針を挿入できたら、駆血帯を外し、点滴留置針の内筒を格納して、点滴留置針の外筒を血管内へ留置します。
点滴留置針によって異なりますが、最近の点滴留置針は針刺し事故防止のため、ボタンを押すと留置針の内筒だけが格納される仕組みになっています。
人差し指で留置針の外筒を押さえて、留置針の格納ボタンを押して内筒を格納します。
人によっては、点滴留置針の外筒を押さえながら留置針を引き、外筒と内筒を少し外してから格納ボタンを押す看護師もいます。
この辺は手技が必ずこうしなさいというものはありません。(※もしかしたらあるのかもしれません。間違っていたら教えてください笑)自分のやりやすい方法で留置針を留置しましょう。
留置針の内筒を格納して、留置針の外筒を血管内までしっかりと挿入します。
皮膚に見えている留置針の外筒が見えなくなればOKです。しっかりと挿入しないと、患者の体動で抜けてしまったり、血管から漏れてしまう原因になります。
【STEP7】駆血帯を外し、内筒と外筒を分離する。
血管内に留置したら留置針の内筒と外筒を分離してます。
駆血帯を外し、分離する際には、留置針の入っている血管を抑えながら分離しないと血液が逆流してしまいます。
焦っていると抑え忘れて患者の腕が大変なことになります(笑)
最近の留置針には血管を抑えなくても、逆流防止弁がついていることもありますが、どの医療機関のどの器具でもできるように癖として覚えておきましょう。
内筒と外筒を分離するときに、外筒がつられて抜けてしまうことがありますので、しっかりと外筒を押さえながら分離しましょう。
【STEP8】点滴ルートと留置針外筒を接続する。
留置針の外筒に点滴ルートを素早く接続します。
このときに留置針の外筒や点滴ルートの接続部を汚染しないように注意しながら行いましょう。
上手く血管の中に点滴留置針が入っていれば、点滴ルートを接続したときに点滴ルート内に血液が逆血してきます。接続があまいと血液が漏れてきたり、点滴薬液が漏れてきたりしますので、しっかりと接続します。
【STEP9】点滴を滴下して血管内に入っていることを確認する
点滴のクレンメを操作して、滴下して血管内に留置できていることを確認します。
このとき、患者に「痛みはありませんか」「痺れはありませんか」と確認しながら、留置針周辺を観察します。
患者に疼痛がなく穿刺部位の腫脹がなく、滴下がスムーズであれば留置針の留置ができています。もし、点滴が漏れていると挿入部位・留置針周辺がプクっと、どんどん膨れ上がってくるので良く観察をしましょう。
血管に入っていない場合には、別の部位でやり直します。
腫れずに滴下だけがうまくいかないというときには、留置針を少し引いてみたり、角度を少し動かしてみると滴下できることがあります。まぁたいていは接続したときに「逆血してこねぇ・・・はずしたな(;^ω^)」となることが多いですね(笑)
【STEP10】留置針、点滴ルートを固定する。
留置針の穿刺部位を観察しやすいフィルムドレッシング材で留置針先端を固定します。
穿刺部位に空気が入ると汚染や炎症、点滴漏れの原因になりますので、空気を入れないように密着させましょう。
点滴ルートは患者が動いたり、何かに引っ掛けても、留置針や接続部に影響を与えないように、ループにゆとりを持たせて固定します。
ループを曲げすぎると、詰まったり漏れる原因となりますので、注意しましょう。
点滴の穿刺部位は観察しやすいようにループがかからないようにしましょう。
また、留置針の留置は一般的には72~96時間ごとに交換することが望ましいです。静脈炎や感染の原因になります。少しでも異変を感じたら交換を行うようにしましょう。
点滴ルート固定するときには、テープをルートの脇まで密着して貼ることで外れにくくなります。
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ヘパリンロックする8つの手順
ここからは点滴ルートを確保するためのヘパリンロックの手技を簡単に説明していきます。
【STEP1】準備
医師の指示を確認を行う。ヘパリンと化学反応を起こす薬剤もあるため、ヘパリンと混和してもよい薬剤か確認しましょう。
上記の必要物品を準備し、手洗いを行い患者の元へ向かいます。
【STEP2】患者確認
患者の元へ必要物品を持って向かいます。患者本人にフルネームを言ってもらい、指示書とネームバンドに間違いがないか確認しましょう。ここでは5Rを基本として省略せずに行うことで医療ミスを防ぐことができます。
【STEP3】接続部を消毒する
三方活栓などの接続部を消毒する。
【STEP4】シリンジ開封し、接続部と接続する
シリンジを開封し、消毒した接続部以外に触れないようにし、接続部と接続する。
【STEP5】シリンジ内の空気を抜く
三方活栓を開放し、シリンジを引いて逆血があること、シリンジ先の空気を抜きます。シリンジは先を下にして、空気がシリンジ上部に溜まるようにしましょう。
【STEP6】ヘパリンを注入する
シリンジ内の空気がルート内に入ってこないように、シリンジを傾けながら、ヘパリンを注入しましょう。注入の際に、三方活栓とシリンジの接続部にアルコール綿を当てておくと、この後の陽圧ロック時に役立ちます。
【STEP7】陽圧ロックする
シリンジ内のヘパリンをすべて注入する前にシリンジを注入しながら、三方活栓を閉鎖して陽圧ロックをします。陽圧ロック時には、シリンジ内からヘパリンが出てくることもあるため、アルコール綿を当てておくと周りに広がらずに済みます。
陽圧ロック後には、接続部を再度消毒します。
【STEP8】ルート固定
ルートや三方活栓が皮膚に当たると、患者に苦痛を与えるため、ガーゼなどでルート、三方活栓を包み、包帯や固定用ネットで固定します。患者が臥床するときに、ルート固定部が圧迫されないように、患者ごとで固定位置を調整しましょう。また穿刺部位とルート固定が重なると、ルート内が詰まる原因となりますので、注意しましょう。
上肢で神経損傷のリスクのある血管とは?
上肢での採血や点滴の時に探しやすくて刺しやすい血管があります。
それは、手首の拇指の根本延長線上にある橈側皮静脈です。
この血管は触知しやすく、太くまっすぐなため穿刺しがちですが、最終手段としておきましょう。
避ける理由としては、神経損傷のリスクのある血管だからです。
手首拇指側の橈側皮静脈の手背側には橈骨神経が広く並走しています。
そのため神経損傷のリスクが高い血管です。仮に、神経を刺してしまうと、拇指まで突き抜けるような「ピリリっ」とした痺れが走ります。
痺れは数日で回復するケースがほとんどですが、最悪の場合には痺れが残る神経損傷の後遺症残る場合もあります。患者の負担も考えると、避けるべき血管といえるでしょう。
意外と普段から使っている血管でびっくりした方もいるかもしれませんね。
もし橈骨皮静脈で手技をする際には、腕の内側から刺すようにすれば、神経を避けながら刺すことができますよ。
下肢で点滴ができる穿刺部位とは?
両上肢では穿刺が困難になった場合や両上肢が怪我や浮腫で穿刺できない場合には、下肢にも点滴留置することが可能な血管が2か所あります。
[box05 title="下肢の点滴留置可能な血管"]
- 大伏在静脈
- 足背静脈
[/box05]
上記の2か所が下肢の点滴留置可能な血管です。
いずれも神経が走行している箇所もあるため、穿刺する際には患者様に疼痛がないか、しびれがないかの確認を行いながら慎重に行うようにしましょう。
また、下肢は患者様のADLを著しく損なう(主に歩行困難となる)ため、点滴の目的を十分に説明し点滴滴下中には安静を保つことを説明しましょう。
下肢の血管は心臓から遠い分、静脈炎や血栓症のリスクも増加するため、点滴留置後の全身状態の観察やバイタルサインの確認は欠かさずに行いましょう。
いずれの血管も患者へのリスクを伴う血管のため、知識としてしっかりと身に着けておきましょう。患者の負担を最小限にして、看護師も刺しやすい血管を根気よく探して点滴を成功させましょう。
新人看護師が辞めたくなる点滴あるある話
点滴って毎日のようにある業務だけど、新人の頃ってなかなかできなくてつらい思いをしませんか?
点滴関係で辞めたくなる場面はいろいろあると思います。ここでは点滴のさまざまな場面での嫌になる、苦しくなる、つらくなる場面、あるある話をしていこうと思います。
決してあなただけがつらい思いをしているのではなく、他の新人看護師やかつて新人だったベテラン看護師も以下のようなつらくなる経験を持っているものです。
一人で悩まず少しでも気持ちが和らげば幸いです。
点滴の準備中にミスしないか不安になる
バイアルを開けて注射器でKN3号やラクテックなどに点滴を混和して準備している最中にも、「今日の患者の腕って点滴やりやすかったかな?」「あーすでに失敗する気がしてきた」と不安になるものですよね。
管理人も新人の頃は、点滴が苦手で逃げて回っていたような気がします。あ、逃げたところで、その日の受け持ち患者なんで自分がやなきゃいけないことになるんですけどね。
クレンメを閉め忘れて点滴が垂れ流しに!ルート内がエアーだらけに!
点滴を準備しているときにクレンメを締め割れて点滴の液が「ジョーーーッ」と流してしまうことは誰しもが通る道です。点滴内容がラクテックなどであればなんてことはありませんが、抗がん剤やそのほか劇薬などだったら焦ること焦ること・・・。
みなさんクレンメはまず閉める!徹底していきましょう(笑)
点滴のダブルチェックの相手が見つからない
点滴を準備しようにも、先輩方は忙しそうだし、同期も患者の対応で手がいっぱい・・・え?私って誰に点滴のダブルチェックしてもらえばいいのよ・・・。と途方に暮れることはありませんか?
深夜帯の人がダブルチェックを行っておいてくれる病院もあるようですが、たいていは日勤の担当者がダブルチェックするものですよね。けどダブルチェックの相手が見つからないってことが意外と多くて困ります。
そして、ダブルチェックの声掛けを先輩にするとすごい嫌な顔をされて、「ダブルチェック頼まなきゃよかった」と後悔もするものです。
少しのエアー(空気)は大丈夫とわかっていてもミルキング
点滴のルート内にエアーが入っていて、多少のエアなら大丈夫だと思っていても、必要以上にミルキングをして、患者のルートを見てみると逆血して詰まってたってこともよくある話ですよね。
デコピンやらボールペンやらでミルキングをしてはエアーの確認をしての無限ループに陥ることも・・・。
点滴のサーフローを入れた時点で失敗を悟る
点滴の穿刺部位を決めて、「セイッ」と点滴針を刺した瞬間に・・・・失敗したな・・・血管が消えた・・・。と失敗を悟ることもしばしば。
皮膚の中でグリグリしては神経損傷のリスクもあるので抜いて再度試みるんですけどこれが入らないんですよね。一度失敗すると負のデフレスパイラルに陥るのも看護師業務の難しいところですよね。
点滴滴下数の時間計算が高速でできるようになる
点滴の滴下数を国試ではあれだけ悩んでやっていたのに、時計と滴下を少し睨めっこするだけで、滴下数が即座にわかるようになるのも、新人看護師の特徴では?
逆に点滴の滴下計算がものすごく苦手という看護師さんもいるかも。苦手な人は電卓を持ち歩きましょう。
ま、最近は点滴管理をしてくれる機械がついているので問題ないこともありますね。
夜勤が点滴管理ばかりしている気がする
「あー夜勤が始まってしまった」と思って日勤スタッフが帰ったとたんから「○号室の○○さんの点滴がもう終わる!」「次は△さんの点滴が!」と点滴管理に追われることも。
しかも点滴管理に慣れていないから時間もたくさんかかってしまうのが新人看護師。つらいですよね。
滴下が止まって逆血してたとき愕然とする
点滴がなくなっていて逆血して滴下が止まっていた時には愕然としますよね。
それで点滴ルートが詰まってダメになっていたら・・・「また刺しなおしかよー」となんとも言えない喪失感になるのも新人の特徴・・・いやベテランでも嫌ですね。
点滴が嫌で辞めたくなった時の5つの対処方法
では、点滴準備、点滴の留置が苦手、つらい、辞めたいと思っている皆さんのために、5つの対処方法を紹介します。
点滴が苦手、つらい時の5つの対処法
- 点滴を上手になってしまう!うまくなるコツや手技を学ぶ!
- 血管を見えるようにして成功率を上げる!
- 上手い人から点滴技術、コツを盗む!
- 他にできることを増やして自信をつける
- 点滴が少ない、全くないクリニックや施設に転職する
順番に紹介していきます。耳に痛いこともあると思いますが、だれもが通る道です。でも、無理のし過ぎはだめですよ。
点滴を上手になってしまう!うまくなるコツや手技を学ぶ!
点滴が苦手、やりたくない、逃げたいと思っても点滴をしなくてはいけない場面が必ず現れます。
それならばもううまくなるしかありません。
それが一番難しいんだよ!という声が聞こえそうですが、点滴には手順とコツがあります。
点滴の極意は、採血と同じで点滴をしやすい血管を見つけることです。血管をしっかり浮き出るように練習しましょう。
意外と血管が出ない原因が駆血帯が上手に巻けていなかったり、血管を上手に見つけれていないだけかもしれませんよ?
血管を見えるようにして成功率を上げる!
上でも確認したように点滴を成功させるための最大のコツは、点滴しやすい血管を見つけること、点滴しやすい血管を浮き出させることです。
そのため、血管が見えなくて自信がないときには無理に刺さずに血管を見えるようにする努力をしてから採血に挑みましょう。
例えば以下のような方法がありますよね?
血管を見えやすくする方法
- 患者の腕を温める
- 患者の腕を心臓より下にする
- 食事や水分摂取してもらう
基本的なことですが、採血のときに血管を見えるようにする触れるようにすることは採血の成功率を上げるコツです。
詳しくは『血管が見えないときの5つの対処方法』でまとめているので参考にしてみてくださいね。
また、点滴は採血とは違い、サーフローを留置しなくてはいけません。そのためある程度の血管の長さが必要になります。
キーワードは、まっすぐ、弾力がある、色がついて見えるです。それが点滴を失敗しにくい血管の特徴です。
上手い人から技術、コツを盗む!
上手い人は真似が得意なもの。うまい人から技術を盗んで自分のものしちゃいましょう。
自分ひとりで点滴が上手になる人もいれば、先輩や同期のやり方を真似してみたらうまくなったということもあります。
たとえば、部活でだれかの真似をしたら上手になったとか、YouTubeでだれかのプレーをみたらできるようになったという話は珍しくありませんよね?
自分で悩まずに素直に上手な先輩の点滴のやり方を見せてもらったり、血管の見つけ方を教えてもらったりするのが上達の最短ルートかもしれません。
先輩が「ここに良い血管あるよ」といったときに必ず触らせてもらい、技術を盗みましょう。
他にできることを増やして自信をつける
発想を変えて、苦手なところに目を向けるのではなく、得意な分野に目を向けるのもいいかもしれません。
自分が他の誰にも負けないという自分の得意分野を作って自信を持つことで他の看護業務にも自信が出てくるものです。
自分が得意とする分野、アイデンティティとでも言いましょうか。
「コミュニケーションが好き」、「医師の話を患者目線で伝えれる」などなど自分ができていることに目を向けて、自分にもできていることがあるじゃないかと思うことも大切です。
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無理につらい状況で仕事を続けてもいいことなんてありません。
ましてや、先輩に怒られて神経をすり減らして、あなたが体調や精神を病んでしまっては意味がありません。
今のつらい状況から逃げることは決して恥ずかしいことではありません。
環境を変えることであなたの良さが活きてくることもありますよ。
例えば以下のような環境に変えてみてはどうでしょうか。
環境を変えてあなたらしいあなたへ転職
- 点滴が少ない病院や診療科へ転職する
- 点滴業務がないクリニックや介護施設へ転職する
点滴が苦手なら点滴業務が少ない病院に転職したり、診療科へ異動したりするのも賢い選択と言えます。
点滴が少ない病院や診療科の例としては精神科です。
精神科は入院時に採血したり、抗精神病薬や抗うつ薬などの血中濃度を測るために採血をすることがある程度で、点滴をすることは少ないですよ。ま、アルコール依存症や薬物依存症の離脱期には点滴を行ったり、悪性症候群などの場合には点滴を行うことがありますが、ほとんどが複数対応が必要なケースです。
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無理せずあなたの看護師人生を豊かなものにしてきましょう。
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