こんな疑問にお答えします。
こんにちは。管理人で現役精神科看護師のハチです。
精神科にいるとどうしても筋肉注射をする機会が多いもの。
その経験を活かして今回はSTEP13で完璧な臀部への筋肉注射の手技をおさらいしていきます。
この記事を読んであなたも明日から『筋肉注射ならあなたに任せたい』と言われる看護師を目指してみませんか?
筋肉注射が苦手で『筋肉注射や点滴が無ければ楽しく看護師ができるのに…』と考えているあなたは危険。
点滴に失敗すると看護師としての自信をどんどん失っていき、先輩看護師やお局看護師からもいじめの対象にされるリスクも。
あなたにはそんな思いをしてほしくない!!
筋肉注射や採血などの侵襲性のある医療行為が苦手なら、施設看護師がおすすめです!!施設看護師求人が多いのは、看護のお仕事。
\施設求人数業界トップクラス/
/完全無料でいつでも退会可\
「筋注怖い!!」「採血したくない!!」と思っているなら状況別でおすすめの看護師転職サイトが見つけられる『6年目現役Ns絶賛!!看護師転職サイトおすすめランキング7選&選び方』がおすすめです。
\完全無料/
/業界トップクラスの求人数\
お尻(臀部)への筋肉注射13手順を徹底解説
筋肉注射の手技を確認していきましょう。
\注射が苦手なら転職がおすすめ/
/完全無料で苦手を脱出\
【STEP1】筋肉注射の準備
筋肉注射に必要な物品を準備しましょう。何の手技でもまず準備をしっかり行うことが成功への道になりますよ。
- 指示書
- 薬液
- 注射器(シリンジ)
- 注射針(21~23GのRB針)
- アルコール綿
- 手袋
- 針捨てバイオボックス
不足物品がないか確認して、不安ならアルコール綿や手袋は多めにもっていくとなくて慌てることはないでしょう。
筋肉注射の針は21~23GでRB
筋肉注射の針は、21~23G(ゲージ)のRB(regular bevel)の針を使用します。
主には、22G(ゲージ)のRBを使われることが多いです。
刃面の角度12度と浅いRBが鋭いので疼痛が少なく筋肉注射を行うことができます。下の図にまとめたので参考にしてください。刃面の角度14度のSBでも筋肉注射を行うこともありますので状況に合わせて使い分けましょう。
これらの針が使われる理由は、まず注射法によって使う針が決められていること。
そして何より患者の疼痛を少なくすることと、目的の筋肉へ確実に注射するために、使う針が決められています。
筋肉注射で使われる針は以下の表にまとめておきます。
G(ゲージ) | 外径(mm) | 色 |
21G | 0.8mm | 緑 |
22G | 0.7mm | 黒 |
23G | 0.6mm | 青 |
【STEP2】6Rで患者確認・注射の目的や方法を伝える
必要物品を準備して薬液をシリンジ内に用意できたら患者さんの元へいって6Rを基本に、患者確認を行いましょう。注射の目的、方法、副作用についてもお伝えできればよいですね。
【STEP3】お尻への筋肉注射の適切な体位にする
患者にうつ伏せ寝になってもらい、お尻を出してもらいます。臀部を露出するだけでも構いません。バスタオルなどで露出の不要な部位を隠すと看護の心的な恥ずかしさを軽減できますよ。
【STEP4】お尻(臀部)の筋肉注射の穿刺部位を確認~クラーク点は腸骨前上棘から1/3~
患者に体位をとってもらっている間に手袋を装着します。次に筋肉注射の穿刺部位を決定します。
お尻(中殿筋部)への筋肉注射の穿刺部位は、クラーク点です。クラーク点とは腸骨前上棘と腸骨後上棘を結んだ線の腸骨前上棘から1/3の場所をいいます。
わかりにくいという方は腸骨前上棘から1/3の位置と覚えておきましょう。
図で説明すると以下の場所に当たります。
この場所は、筋肉が厚く密集しており、神経や血管が走行、分布していない部位です。指先で触れたときに骨が触れないかも重要です。
- お尻への筋肉注射の穿刺部位は、クラーク点。
- クラーク点は腸骨前上棘と腸骨後上棘を結んだ線の腸骨前上棘から1/3の場所
- 筋肉が厚く、神経や血管が走行、分布していない部位
- 指で触れたときに骨が触れない場所
- 筋肉が緊張している場合には深呼吸などで弛緩させてもらう
もし、前回右中殿筋部に筋肉注射をしているのであれば、左中殿筋部へ筋肉注射を行います。同じ場所に筋肉注射をすることは避けましょう。
なぜ筋肉注射は同じ場所に続けて刺したらだめなのか?
筋肉注射を繰り返し同じ場所に行うと、筋肉は硬結や炎症、組織壊死を起こす可能性があります。
患者にどこに筋肉注射を行ったのかを確認して、同じ場所への筋肉注射を避けましょう。
【STEP5】穿刺部位を中心にして消毒する
穿刺部位が決定したら、穿刺部位をアルコール消毒します。穿刺部位の中央から外側に向かって円を描くように消毒します。
消毒後はしっかり乾燥させましょう。
【STEP6】穿刺部位の周りをつっぱる
利き腕と逆の手で皮膚から穿刺部位から外側へつっぱります。
※脂肪の付き方や筋肉量によってはつまむケースもあります。
このときに筋層の厚さを確認しましょう。その時に皮下脂肪の厚さも確認します。
【STEP7】注射器を鉛筆握りで持つ
利き腕で注射器を鉛筆握りで持ちます。
このとき注射針の刃面は上に向くように持ちましょう。刃面を上にむけると針の挿入がしやすくなり痛みの緩和になります。
【STEP8】刺入角度45度~90度で穿刺する
先ほど確認した皮下脂肪や筋層の厚さを参考にしながら刺入角度45度~90度で穿刺します。お尻への注射は90度近くで行うことがほとんどです。
- 皮下脂肪、筋肉が薄い場合(痩せている場合)には45度近くで刺入。
- 皮下脂肪、筋肉が厚い場合(太っている場合)には90度近くで刺入。
筋肉注射の注射器が安定しないときはどうするのか?
筋肉注射のときに注射器が安定しないときには、患者の皮膚に小指を先に置いて安定させましょう。消毒したところに触れないように注意が必要ですよ。
【STEP9】注射針の2/3程を穿刺して患者に痺れや激しい疼痛がないか確認
穿刺する長さは、注射針の2/3程の長さ(2㎝)です。
穿刺が浅く皮下注射になってしまうと、潰瘍や組織壊死を起こすリスクがあります。穿刺したときに痺れや激しい疼痛、異常があればすぐに針を抜きましょう(抜針)。
【STEP10】注射器(シリンジ)を引き、逆血がないか確認する
注射器(シリンジ)の内筒を引いて逆血がないかを確認します。
逆血がある場合には、血管の中に入っているということですので、注射器を少し引いて再度逆血がないかを確認しましょう。
もしくは、逆血がある場合には、一旦注射器を抜いて別の場所で再度筋肉注射を行うとよいでしょう。
【STEP11】薬液をゆっくり注入する
逆血が確認されず、患者がしびれや激しい痛みの訴えがなければ、薬液をゆっくりと注入してきます。
ゆっくりと薬液を注入することで、薬液がゆっくりと広がり患者の疼痛が少なくなります。
逆に早く入れすぎると筋肉の炎症が強くでたり潰瘍ができたりするので注意しましょう。
筋肉注射の薬液の吸収される速度は?
薬液が体の中へ吸収される速度は以下のような関係があります。
薬液が吸収される速度
静脈内注射>筋肉注射>皮下注射
薬液の効果がすぐに表れるのが静脈内注射で、筋肉注射は皮下注射の2倍ほどの速度で吸収されます。効果を得たい速度や、静脈内注射、皮下注射をできない薬液は筋肉注射が選択されます。
つまり、早すぎず遅すぎず。1ml/秒くらいでいいですが薬液によっては早すぎてはいけないものもありますので注射前に薬液の注入速度は確認しておきましょう。
【STEP12】抜針して止血と揉む~どのようにどのくらい揉むのかのコツ~
穿刺部位にアルコール綿を添えて素早く抜針します。
抜針後はアルコール綿で止血しながら、注入した部位を中心に円を描くように1分ほど軽く揉みましょう。(三角筋への筋肉注射の手技、手順より画像抜粋)
筋肉注射を行う薬剤によっては、注入後に揉むこと(マッサージ)をしてはいけない薬剤もあるため、事前に確認してから筋肉注射を行いましょう。
軽くマッサージができたら絆創膏を貼り手技を終了します。
- Q1
- 転職したい?副業をしたい?
なぜ筋肉注射は揉む(マッサージ)必要があるのか
筋肉注射後に軽くもみマッサージが必要なのは、薬液の浸透・吸収を促して、筋肉の硬結や疼痛を予防するためです。
揉まないで置くと薬液が注入した場所に停滞して筋拘縮や痛みが強くできるので注意しましょう。
【STEP13】筋肉注射を終了し患者の経過観察
患者さんの衣服を整えて、体調不良や副作用についてお伝えてしましょう。
もし異常があればすぐに呼べるようにNsコールの説明も忘れずに。
筋肉注射の目的
筋肉注射は、血管内や皮下内に投与できない油性、混濁性、刺激性のある薬剤を投与するために行われます。
ほとんどの予防接種は皮下注射で行われますが、一部の予防接種は筋肉注射でおこなわれます。
また、せん妄やや躁状態によって、幻覚や幻聴などの病的体験が強く、興奮や攻撃性がある患者におこわれるセレネース+アキネトンも筋肉注射で行われるケースがあります。
筋肉注射の禁忌、注意点
前提として、筋肉注射は、血小板減少症や血友病などの出血傾向のある患者へ実施は禁忌とされています。
抗凝固剤を使用している患者も同様に出血傾向になる場合があるため、筋肉注射の指示が出た際には主治医への確認をわすれずに行いましょう。
また、筋肉の発達が未成熟な小児や筋委縮がある高齢者への筋肉注射も注意が必要です。筋肉への薬剤投与によって、筋拘縮や運動障害などが起こる可能性があるためです。
以上のように禁忌や注意点は頭に入れておきましょう。
筋肉注射の痛みを緩和する2つのコツ!
筋肉注射の痛みは必ずあるものですが、その痛みを軽減するコツがあります。
それは
- 注射前にリラックスしてもらうこと
- 筋肉注射後にしっかりと揉むこと(マッサージ)
です。
筋肉注射は筋肉を針を直接いれるため必ず組織を損傷させます。
つまり疼痛は必ず起こります。しかし、筋肉を弛緩させておけば筋肉への損傷を少なくすることができます。
患者にしっかりと筋肉を弛緩してもらうために、注射前にリラックスしてもらいましょう。
深呼吸をして筋肉を弛緩させること、注射中も呼吸を止めずに呼吸してもらうことで筋肉を弛緩させることができます。
また、うえでも説明したように注入後の揉みこみをしっかりと行うことで疼痛を軽減できます。
揉みこむ時間としては1~2分が目安です。看護師側で行ってもいいですが、そこまで時間もとれないと思います。「強く揉まず円を描くようにゆっくり揉む」ことを患者にお伝えして自分でやってもらうとよいでしょう。
【まとめ】点滴のルート確保は経験も必要。
筋肉注射や基本の手技が苦手でお局様や先輩看護師に目を付けられているなら逃げてもOK。
正直、基本の手技はプレッシャーの中でやるとやりにくいですよね。変な緊張さえなければあなたもできる!
転職が少し不安なら転職のサポートをしてくれる看護師転職サイトがおすすめ。看護師5年の私がおすすめなのは看護のお仕事!
\注射が苦手なら転職がおすすめ/
/完全無料で苦手を脱出\
筋肉注射は、採血や点滴と同じように、穿刺部位さえ間違えなければ難しい手技でありません。
三角筋への筋肉注射の手順、手技と重なる部分も多いため、筋肉注射ができるときには回数をこなして看護技術習得を目指しましょう。
筋肉注射の穿刺部位は肩峰から三横指下のやや正面側がキーワードになりますので、しっかりと身につけておきましょう。