看護技術

【基本】強迫性障害の治療と看護を徹底解説【結論:認知行動療法と薬物治療が治すコツ】

2020年11月12日

【基本】強迫性障害の治療と看護を徹底解説【結論:不条理なこととわかっていてもやめられない】

あなたは鍵をかけたか心配になって一度戻ったり、待ち合わせ時間や場所を何度も確認したりといった経験はありませんか?

しかしその心配といった行為や考えが常軌を逸して、

  • 「手洗いをやめられない」
  • 「何度も確認しても心配」
  • 「鍋の火を消したか不安」

といった症状がある患者と出会ったことはありますか?精神科にいれば何人も出会いますが、一般科だとなかなか出会う機会はないかもしれません。

今回は、不条理なこととわかっていてもやめられない強迫症状について解説していきます。

✔本記事の内容

  • 強迫性障害とは
  • 強迫性障害の治療と看護

 

管理人ハチ
この記事を書いている私は現役の精神科看護師です。

いままでに多くの強迫性障害の患者さんを見てきた経験も踏まえて記事で解説していきます。

 

 

この記事を読めば強迫性障害の看護についてざっくりと理解できますよ。

その他、精神科の転職や勉強しておくべきことを知りたい人は下の記事を参考にしてください。

 

【2020年版】精神科看護師への転職マニュアル【結論:ラクに看護できます】
【2020年版】精神科看護師への転職マニュアル【結論:ラクに看護できます】

続きを見る

参考精神科看護師がよくである精神症状一覧で徹底解説

看護のお仕事

強迫思考、強迫行為に分けられる強迫

強迫とは、ある考えや行動が、自分の意志とは関係なく出現し、その考えや行動を否定したりやめたりしようとすると、不快に感じたり心配になったりする状態です。

強迫は、

  • 強迫思考
  • 強迫行為

に分けられます。

順番に解説します。

 

強迫症状は、小児期や青年期、成人期に発症します。おもに25歳以前の発症が70%以上を占めており、35歳異常での発症は15%程度と報告されています。

成人になると発症に男女差はないものの、小児期や青年期には男性よりも女性のほうが発症しやすいといわれています。

 

強迫思考【自分の意志とは関係なく浮かんでくる考え】

強迫思考とは、自分の意志に反して絶え間なく浮かんでくる考えや思考のことを言います。また、これらの考えや思考が不条理であることが分かっているにも関わず、気にしてしまい、不快感や不安感、心配な気持ちを止めることができない状態です。

例えば、部屋配置が変ったように感じたり、手が何かに触れているのではないかと感じたりと考えや思考が浮かんできて、その考えを払しょくできない状態です。

 

強迫行為【何度も同じ行動をしてしまう】

強迫行為とは、強迫思考から生まれる不快感や不安感をなくすためにする行動です。主に、同じ行動を繰り返したり、同じ順番や順序に強くこだわりをもつ行動がみられます。
たとえば部屋配置が変ったように感じて何度も動いていないか確認をしたり(確認行為)、手が何か触れたのではないかと心配になり何度も手を洗ったり(洗浄)といった行為が、強迫行為です。

強迫行為では、一度確認や行動をすることで一時的に不快感や不安感を払拭できるものの、消えることはなく、すぐに強迫思考が再燃したり増強したりして、強迫行為を繰り返してしまいます。

強迫患者によって、強迫行為の違いはあるものの、強迫行為の種類の出現率は下記のような報告があります。
強迫行為の種類の出現率
強迫症状を呈している患者の大多数は、何度も確認してしまう確認行為や、何度も手を洗ってしまうなどの洗浄行為がみられます。

  • 不潔恐怖と洗浄
  • 加害恐怖
  • 確認行為
  • 儀式行為
  • 数字へのこだわり
  • 物の配置、対称性などへのこだわり

 

こういった症状があれば、強迫性障害を疑い受診をオススメします。

 

強迫性障害の治療と看護

強迫性障害の治療方法は認知行動療法と薬物治療を併用するのが効果的とされています。

  • 認知行動療法
  • 薬物療法

順番に解説します。

 

基本的には認知行動療法を看護師が担うことが多いので必見です。

認知行動療法

強迫性障害でいう認知行動療法とは、強迫行為をしなくても何も起こらないということを認知していくことが主な目的です。

 

よくいうのは暴露反応妨害方というもの。

例えば、患者さんの強迫行為が手洗いならば下のようなプロセスを行います。

  • あえて汚いものに触れてもらう(ドアノブを触る、箸をもつなど)
  • 手を洗うのを我慢してもらう
  • 結果的に病気になったり、不利益になることが起こらないことを認知してもらう

 

認知行動療法を繰り返し行うことで、患者自身の不安や強迫思考が薄れて弱くなっていき、強迫行為をしなくても大丈夫なんだと行動を変えていくことができます。

 

看護の方でも日勤帯、夜勤帯と強迫行為がひどくなる時間帯を見計らって、認知行動療法を実践できるように患者と時間を調整しておこなっていきます。

 

薬物療法

薬物療法では主にSSRI(セロトニン再取り込み阻害薬)を使用します。

 

強迫性障害の患者さんは常に不安の波の中にいます。

まずは強迫思考や強い不安感を取り除くことから始めて徐々に認知行動療法で強迫行為を減らしていく形になります。

 

 

統合失調症の妄想との違い

「手が汚れていると思うこと」「鍵が開いているかもしれない」という考えは一見、統合失調症にみられる妄想とおもわれがちですが、統合失調症の妄想とは大きく違います。

 

例えば統合失調症の妄想であれば、「Aさんが自分を悪く思っている」「電波が自分を苦しめている」といった考えが浮かんでいます。統合失調症の妄想は、その考えに対して確信的で実際に他人が自分を悪く思っている、電波が自分を悪くしていると考えています。

 

一方の強迫では、「手が汚れている」「鍵が開いている」という考えが浮かんでくるものの、実際には手は汚れていないだろうし、鍵も閉まっているだろうと考えることはできます。自分が間違った考えや行動をしていることへの自覚があります。

 

つまり、強迫患者は自分の考えや行動は不条理、不合理であることを自覚しているという点、統合失調症の妄想とは大きく違うのです。

参考【必見】現役精神科Nsが『統合失調症の看護』を徹底解説【観察ポイント、アセスメント、看護目標も】

 

看護のお仕事

【まとめ】強迫性障害を知り、他の精神疾患も知れば百戦危うからず。

強迫について簡単に解説してきました。強迫行為は、患者本人は不条理、不合理であるとわかっていながらもやめることができない行為です。安易にやめればいいということをいっても簡単にやめることはできない行為です。
患者と関わる際にはまず信頼関係の構築が最優先です。そのあとで、強迫行為について自由に話せる関係性を気付き、強迫行為を健康的な対処方法に変えていけるように患者と話し合っていくことが重要となります。

参考精神科看護師がよくである精神症状一覧で徹底解説

ちなみに精神科看護師への転職を考えているあなたは下の記事が参考になります。

  • 一般科で消耗し続けている・・・
  • 残業代もないし疲労困憊
  • 休みもとれないしこのままでいいのかなぁ

こういった悩みをそのままにしておくのは危険です。そのままずっと看護師で疲弊していく生活になりますよ?

できれば看護師の資格を活かしつつもプライベートも優先できる精神科への転職をおすすめします。

精神科への偏見もあると思うので下の記事を参考に一度検討されてはどうでしょうか?

【2020年版】精神科看護師への転職マニュアル【結論:ラクに看護できます】
【2020年版】精神科看護師への転職マニュアル【結論:ラクに看護できます】

続きを見る

 

  • この記事を書いた人

ハチ

副業ブロガー / 現役看護師【経歴】国立大学▶︎公務員(保健師)▶︎縦社会と副業禁止で退職決意▶︎精神科看護師▶︎3サイト運営するが月1万円収益で3年ほど彷徨う▶︎培ったノウハウを駆使してhachiblog立ち上げ●嫁1太郎1姫と暮らす
>>ハチのプロフィール

-看護技術

Copyright© ハチブロ , 2020 All Rights Reserved Powered by AFFINGER5.