看護師は患者との距離が近いので、患者や家族からクレームや苦情を受ける機会も多いですよね。
看護師ってだけでクレームを受けやすいのに、それに加えて『新人看護師』だと余計クレームや苦情を受けやすいかもしれません。
よく受けるクレームや苦情には下のようなものがありますよね。
- 採血や点滴が下手だ!痛い!
- 言葉遣いがなってない!どういう教育をしているんだ!
- 勝手に物をさわったり動かしたりするな!
なんだか書いているだけでも耳が痛くなりそうです。
そこで今回はクレームや苦情への対応方法と場合別のクレーム対応について解説していきます。
これを読んで少しでもあなたへのクレームや苦情が減れば幸いです。
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クレーム・苦情への基本的な対応方法とは?
クレーム・苦情への基本的な対応は謝罪、傾聴、対応が基本です。流れは下のようになるので確認してみてください。
- 謝罪する
- 患者・家族の話を良く聞く(傾聴)。何が不満だったのか、どうして不快に感じたのかを確認する
- 師長、上司、先輩、同僚看護師と情報共有
- 主治医や上司へ指示を仰ぐ
- 患者・家族へ対応、解決策、妥協案の提案
- 今後の予防方法やルール変更の検討
一つ一つ当たり前のことと思うかもしれませんが、怒られると焦ってできないものです。クレームをもらったときのことを思い出し、対応の流れを確認していきましょう。
まずは謝罪する
あなたが悪かろうが悪くなかろうがまずは『不快に感じさせて申し訳ありませんでした』と謝罪を行うのが基本です。
患者や家族が謝ってほしいと思っていようとなかろうと患者や家族は潜在的には謝罪を求めているからです。
初動対応では謝罪から傾聴を行うとヒートアップを防ぐことができます。稀に謝罪をしたことでより怒る患者や家族もいますがまず謝罪を行い、誠意を見せるのが吉です。
謝罪をするときには、『ごめんなさい』や『すいませんでした』といった言葉よりも『申し訳ありませんでした。』『申し訳ございませんでした』とより丁寧な言葉を意識した方がトラブルに発展しにくいです。
と不満に感じる方もいると思いますが、クレーム内容が個人の問題であろうと、組織の問題であろうと、初めにクレームを受けた看護師が、まず謝罪を行うのが社会人としての常識的対応です。
謝罪を行うことで患者・家族もクレームの内容を冷静に話す準備ができます。
患者のクレーム内容や苦情の理由を良く聞く(傾聴)。
傾聴と一言で書くとただ聞くだけと思ってしまいがちですが、 大切なのは『患者や家族がなぜ不満に思ったのか』、『どうして不快に感じたのか』を考えながら聞くこと です。相槌や質問も交えながら聞くことが傾聴です。
実際ただ単に聞いているだけだと、患者や家族が訴えているクレーム・苦情の意図がわからなかったり、クレームや苦情の内容を誤解してしまったりもすることもあります。
けっこう理不尽なことでご立腹されることもあるので精神的にダメージ受けます、、、。という新人さんもいるかもしれませんね。
患者さんや家族は不安な状態なので気持ちが高ぶりやすいものです。そこを念頭においておくとダメージが少なくなるかもしれません。
患者や家族のクレームが『何に対しての不満なのか』、『患者・家族がどうしてほしいのか(希望や要望)』をしっかり傾聴しましょう。
クレームを言われると謝罪だけをして逃げるようにナースステーションに帰ってきてしまったという新人看護師さんも多いのでは?
患者や家族からの訴えを傾聴したあとは、『対応を検討してお返事を致しますのでお待ちいただけますか』と対応策、改善策、解決策を検討することを伝えてから退席、退室しまし
ょう。
師長や上司、勤務中の同僚との情報共有
謝罪だけで終わらせるのではなく、 師長や上司、勤務中の同僚とクレームの内容、患者や家族の希望や要望を情報共有 しましょう。
一人でクレーム内容を抱えて、対応方法を考えては偏った考えになりがちです。まずは師長や副師長、主任などの勤務中の一番上の上司を交えたカンファレンスを開いて情報を共有して、対応方法や解決策、妥協案などを意見交換しましょう。複数のスタッフで検討することで、病院としての対応や前例はどのような対応をしたのかなどを含めて考えることができ、一人で対応するよりも対応策の精度が高くなります。
という方もいるかもしれませんが、あなたにとって些細なクレームでも患者や家族にとっては重大な問題の場合もあります。
必ず情報共有してから対応方法を検討することをおすすめ します。
情報共有することで間違った対応をするリスクも減らせますし、病院として同様のクレームがあったときの解決策の精度を上げることもできます。
主治医や上司へ指示を仰ぐ
クレームや苦情の内容によっては解決策、改善案が決めかねるケースもありますよね?
最終的な判断は主治医や師長といったトップに指示を仰ぐ のが良いでしょう。クレームの内容にもよりますが、できれば主治医や師長から患者や家族へ解決策や改善案を伝えてもらうとより良いでしょうね。
同僚間で話しても最終的な判断を誰がしたのか、なぜこのような対応をしたのかと後々トラブルになることもあります。そうならないために主治医や師長に最終的な判断をしてもらいましょう。
実際クレームの改善策を伝えるときに新人看護師が伝えるよりも師長が伝えた方がすんなりと応じてくれるって事は少なくありません。
困った時には主治医や師長に指示を仰ぎましょう。
複数スタッフで検討して患者・家族へ対応、解決策、妥協案の提案
患者からクレームを言われて動揺してしまい『次からは○○のように対応します』といってしまうことってありませんか?
理想は上で説明している通りでまずは謝罪をしてしっかりと話を聞きそれをスタッフステーションに持ち帰って複数のスタッフで対応方法を決めてから、解決策や妥協案を提案することです。
一人で対応を考えていては、提案に抜けがあったり、病院の対応としては不適切なこともあったりします。
たとえば『私物の位置が動いていた』という苦情であれば、『次からは触りません』という対応をすると環境整備やベッドメイキングの際に動かしてしまう恐れがあります。複数間で対応方法や解決策を考えればすぐにわかることですし、私物を一つも動かさないということは現実的には難しいですよね?
複数で検討して『私物には基本的には触らないが、シーツ交換や掃除のときに移動させてしまうことはある』と対応策を伝えるのが望ましいです。
確かにスタッフによっては苦手な先輩やクレームが自分のことだと相談しにくいこともあ
るかもしれません。ただ、そのまま自分だけで対応を返答すると余計話がこじれることもあります。そうならないために必ずスタッフ間で情報共有して対応策や解決策を考えましょう。
複数のスタッフで対応を検討してから解決策や妥協案を提案するようにしましょう。
補足ですが、クレームへの返答する際は上司や師長が付き添い可能であればなるべく付き添ってもらい重ねて謝罪をしてもらうと安心です。
今後の予防方法やルール変更の検討
個々のクレームへの対応は当然謝罪から解決策を患者・家族へ伝えるまでで終わります。
しかし、 今後の予防方法やルール変更までを検討してクレームや苦情を再発させないこと が大切です。
以前クレームがあったことが再度苦情として挙がってきたらどうでしょうか。病棟や病院として何も対応していないのと同じになりませんか?
個々の問題をしっかりとチーム、病棟、病院で検討して再発防止に努めることが必要です。
病院によっては、クレームや苦情のリストが作成されており、対応方法も書いてある場合もありますが稀です。あなたが指摘されたクレームや苦情についてはもちろんですが、ほかのスタッフに入ったクレームもあなたに入る恐れがあると考えて対応方法をイメージしておきましょう。
よくあるクレームとその対応方法とは?
よくあるクレームにはしたのようなものがあります。みなさんも一度は経験があるのでは?
- タメ口や幼児語の使用
- パーソナルスペースに対するクレーム
- ナースステーションでの看護師が話す声が大きい
- 手技に対するクレーム
- 食事に対するクレーム
どれも体験したことがあるクレームや苦情ではないでしょうか。それぞれについて対処方法や対応方法も踏まえて別記事の『新人看護師がよく受けるクレームや苦情とその対応方法とは?』で紹介していきます。あなたの経験や過去の対処方法を思い浮かべながら確認してみてください。
まとめ
クレームや苦情というのはどんなに丁寧に看護をしていても受けるものです。
クレーム対応の基本はまず、患者や家族の話をよく聞くこと、そのあとに謝罪を行うことです。
クレームが長引くか長引かないかは初動対応が全てを決めるといっても過言ではありません。
そのあとで先輩や師長に指示を仰ぎ、患者や家族に改善策が代替え案を提示しましょう。
いつでもクレームを受けても対応できるように今回紹介した基本的なクレーム対応方法を身につけて、イメージトレーニングをしておくと良いでしょう。
また、診療科独特のクレームもあるとおもうので先輩や同僚と情報を共有して対応力の強化をしておきましょう。
クレームや苦情で辛いあなたへ
そしてどうしてもクレームや苦情で今の職場を続けられないあなた。
そんなときには無理せずに転職するのも一つの選択です。むしろ転職して看護師を続けられるのなら賢い選択とも言えますね。
無理して苦手な人やつらい環境に身を置き続けることはあなたの心や身体を壊す原因です。このままその人のせいで看護師自体ができなくなっては本末転倒ですよね。
やはり身体を壊す前に、転職するのがおすすめです。
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新人だからこそ、教育体制がしっかり整ったところがいいですし、人間関係がよくて相談しやすい環境がある病院へと転職したいものですよね。
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