看護技術

【5分で理解】電気けいれん療法の看護師の役割とは?

2020年5月1日

【5分で理解】電気けいれん療法の看護師の役割とは?

悩む看護師
電気けいれん療法の看護師の役割とか目的とか効果っていまいちわからないなぁ。これから電気けいれん療法をする病棟にいくけど不安だなぁ。

とお悩みではありませんか?

この記事では電気けいれん療法の目的や看護師の役割についてまとめています。

精神科看護に興味のあるあなたは下の記事で精神科看護師へ転職する方法を解説しています。参考にどうぞ。
参考【2020年版】精神科看護師への転職マニュアル【結論:ラクに看護できます】

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電気けいれん療法とは、目的と効果

電気けいれん療法とは、脳に電気刺激を与えて全身けいれん発作を誘発することで統合失調症の陽性症状気分障害などの症状の改善を目的として行われる治療方法です。

電気けいれん療法は、ECT(Electro-convulsive therapy)と省略して呼ばれることが多いです。一般的にはECTと呼ばれますが、主に修正型電気けいれん療法(m-ECT)のことを指しています。

修正型電気けいれん療法とは、全身麻酔下で、全身けいれん発作による骨折や関節脱臼を予防するために筋弛緩薬を使用して行う電気けいれん療法ことです。

電気けいれん療法は精神科医、麻酔科医、看護師が1つのチームを作って行います。治療は、電気けいれん療法の設備が整った治療室で、全身麻酔、筋弛緩薬、酸素吸入、モニターなどを使用して、全身管理下で行われます。

 

 

3つのECTの適応となる疾患

電気けいれん療法の適応となる3つの疾患は、統合失調症、大うつ病、躁病です。

以下に詳細をまとめます。

  • 統合失調症

統合失調症の中でも、緊張病型統合失調症の患者、急激に精神症状が悪化した患者に適応されます。
特に緊張病型には著明な効果があります。一方で陰性症状が主な統合失調症患者にはあまり効果が見られません。

  • 大うつ病性障害

大うつ病エピソードの患者は薬物療法に反応しない患者も多いですが、薬物療法が無効な患者にもECTは有効です。
昏迷、希死念慮、焦燥、妄想が強いうつ状態の患者にも有効です。特に希死念慮にたいしては即効性があるもの特徴です。

  • 躁病

薬物療法に反応を示さない急性躁病患者にも有効で、80%の患者の症状改善が報告されています。

その他には、産褥期精神疾患のある母親が育児に戻らなくてはいけないときなどにも使用されます

 

 

 

電気けいれん療法のメリット

電気けいれん療法のメリットは、なんといっても、難治性うつ病や緊張型統合失調症の患者への即効性と劇的な回復させる効果です。

また、ECTには絶対的な禁忌がありません。電気けいれん療法での死亡率はとても低く、事故は5万回に1回と推定されています。これは、短時間の全身麻酔使用と同じ水準で危険性が低いことがわかります。

しかし、やはり万能の治療方法は存在しません。

電気けいれん療法(ECT)にも副作用と弊害が存在します。

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電気けいれん療法のデメリット、危険性、副作用

電気けいれん療法の副作用としては以下のようにまとめられます。

  • 施行直後:頭痛、倦怠感、血圧低下、筋肉痛、気分変動
  • 認知機能障害:失見当識、もうろう状態、記銘力の低下
  • 記憶障害:記憶の一部喪失、もしくは戻らない
  • 高齢者での危険性:せん妄、混乱
  • 遅発性けいれん発作
  • その他:人格が変わる、いままでできたことができなくなる

また電気けいれん療法のデメリットしてあげられるのは、その作用機序が明らかとなっておらず、多くの説が唱えられていること。

最近の研究では、電気けいれん療法は脳の特定の部分を刺激して、細胞や神経のネットワークを活性化、成長促進させていることが分かっています。

電気けいれん療法の流れ、手順

電気けいれん療法の流れは下のような流れで行います。

施行前検査の実施

電気けいれん療法の施行前には以下の検査が行われます。その検査結果を受けて医師や看護など電気けいれん療法関係者カンファレンスを行い、患者が安全に治療を受けられるかを検討します。

  1. 血液検査
  2. 心電図
  3. 胸腹部レントゲン検査
  4. 心臓超音波(エコー)検査
  5. 脳波検査
  6. 認知機能検査
  7. 歯科口腔の検査

施行日までに電気けいれん療法について説明

どのような治療や検査でも当然ですが、電気けいれん療法について医師より治療の流れや検査内容、効果、注意点、副作用などについて説明を行います。

患者さんや保護者から同意書にサインをいただいてから治療を行います。

 

施行前日は絶飲食

全身麻酔下で治療を行うため、電気けいれん療法の前日は絶飲食です。厳密にいうと前日夜0時以降は絶食です。

治療直前

治療の当日の朝食は当然絶飲食ですが、点滴を行います。

治療は電気けいれん療法専用の治療室で行います。脳波、筋電図、心電図のモニターなどが完備されています。

治療室に入室後には、脳波、筋電図、心電図モニターを装着し、全身麻酔をかけます。

麻酔施工後に、けいれんが起きないように筋弛緩薬の注射を行い、電極を両側のこめかみ(もしくは頭頂部と右方側のこめかみ)につけて通電開始となります。

治療直後

麻酔が覚めると治療が終わっているので、患者は治療をした自覚があまりありません。治療後は患者はストレッチャーで個室に移動してもらい安静に過ごしてもらいます。

ここで頭痛や吐き気などを訴える患者もいます。頭痛薬や吐き気止めで対応することもあります。

その後安静を保ち問題がなければ治療終了となります。

 

電気けいれん療法の施行期間と頻度

電気けいれん療法の施行期間は3週~1か月ほどで行うことが多いです。

2~3回/週で電気けいれん療法を行い、合計で6~12回施行します。

ほとんどの患者では2~3回ほどの施行で症状が改善したり、寛解したりします。

電気けいれん療法は入院で行うことが多かったですが、最近では外来受診で行う病院も増えてきています。

 

 

電気けいれん療法の看護と看護師の役割

電気けいれん療法での看護師の役割は下のようにまとめることができます。

電気けいれん療法前の看護『前日の飲食禁止を守れているか確認』

前日に飲食禁止であることをオリエンテーションします。当然前日の夜から朝にかけて何も食べないように観察が必要です。

精神疾患を持っている患者のため、飲食禁止を守れない場合や過飲水による飲水行動を止められない場合もあります。

その都度声掛けにより睡眠を促しましょう。

電気けいれん療法直前2時間以内に排尿誘導

電気けいれん療法では筋弛緩薬を使用するため、尿や便周囲の筋肉も弛緩します。そのため失禁や便失禁を誘発する恐れがあります。

必ず施行2時間以内にトイレ誘導を行いましょう。

患者の服装や身なりの確認

患者の服装はたいてい病衣を着ていただくことがほとんどですが、前開きの服に着替えてもらいましょう。脳波、心電図や筋電図などのモニター類の装着で不都合がない服装にします。

また、通電するため、ピアス、ネックレスなどの金属製アクセサリー類、化粧、入れ歯、補聴器、指輪などは取り外してもらいます。結婚指輪などどうしても外せないものに関しては金属がむき出しにならないように絶縁テープなどで保護しましょう。

 

電気けいれん療法中の看護

頭部キャップを着用後、髪の毛が露出しないようにする

髪の毛が電極に触れて肌に接着する面が少なくなると、電流がながれる範囲が狭くなり、皮膚をやけどするリスクが高まるためです。

通電前後でバイタルサインの記録を行う

通電前後ではバイタルサインが著しく変動するため、通電前後のバイタルサインは細かく記録しましょう。

目安としては、通電直前、通電後30秒、1分後、3分後、5分後と記録を行い、治療直後、治療室を退室する直前にバイタルサイン測定を行いましょう。

 

通電中の発作時間に注意

通電時の脳波上でけいれん発作が20~25秒以下の場合には、異常な発作と推定されます。通電する医師や麻酔医も確認していますが、異常が確認された場合には逐一報告を行いましょう。

 

 

電気けいれん療法後の看護

治療終了直後の患者の言動や意識レベル、認知機能レベルを確認

治療直後は患者の認知レベルが低下したり、せん妄を起こしたりすることもあります。筋弛緩薬により脱力傾向にもあるため、不意な動きで転倒や外傷を起こすリスクもあります。

患者の混乱を防ぐためにも、看護師の声掛けや患者との信頼関係の構築が重要となります。

治療前から良質な関係性を構築するように患者とコミュニケーションを図っておきましょう。

継続療法の説明を行う

ECTは症状を劇的に改善し、薬物療法に反応しない患者にも有効な治療ですが、精神疾患自体を治癒、完治させるものではありません

再発防止のために、薬物療法の継続と電気けいれん療法の継続療法が重要となります。

怠薬や通院中断が起こらないように継続治療の必要性を説明することも看護師の役割です。

 

まとめ

電気けいれん療法の看護師の役割について簡単に解説してきました。

精神疾患の中でも重度の疾患に対して使われるケースが多い電気けいれん療法ですので、当然患者への説明は大変です。そこが看護の見せ所といっても過言ではありません。

日ごろから患者と信頼関係を構築している看護師だからこそ見える視点を生かして看護を行っていきましょう。

  • この記事を書いた人
gussan

ハチ

副業ブロガー / 現役看護師【経歴】国立大学▶︎公務員(保健師)▶︎縦社会と副業禁止で退職決意▶︎精神科看護師▶︎3サイト運営するが月1万円収益で3年ほど彷徨う▶︎培ったノウハウを駆使してhachiblog立ち上げ●嫁1太郎1姫と暮らす
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