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【看護師向け】ハームリダクションとは?【断薬を目的としない薬物依存へのアプローチ】

【看護師向け】ハームリダクションとは?【断薬を目的としない薬物依存へのアプローチ】

悩む看護師
ハームリダクションって何?薬物でもアルコールでも使ってる気がするんだけど正直どういう意味かよくわからない。お薬を減らすってことでいいのかなぁ?

と疑問に感じてはいませんか?

 

結論をいうと、ハームリダクションとは、断薬を目標とせず、お薬を使うことで起こる悪い結果(孤立、感染症)を減らすことを目的としたアプローチのことです。

 

ちなみに、アルコールでも節酒といった意味でハームリダクションを使うことがありますが、これは誤りです。(※徐々にハームリダクションの考えがアルコールでも使われ始めていますが・・・。)

ハームリダクションは、薬物に対してのアプローチに使われる言葉なので注意しましょう。

 

 

この辺りを踏まえつつ、今回は下の内容を解説していきます。

記事内容

  • ハームリダクションとは?
  • 看護師がハームリダクションを看護で実践するときの注意点

といった内容で解説していきます。

 

※誤っている部分もあるかと思います。鵜呑みにせず自己学習をお願いします。

 

看護のお仕事

【看護師向け】ハームリダクションとは?【断薬を目的としない薬物依存へアプローチ】

ハームリダクションとは、断薬を必ずしも目標とせず、薬物を使うことで起こるネガティブな結果を減らすことを目的とした政策やプログラムのこと

 

「ハームリダクションさせなきゃ。」とかたまに使う人がいますが、ハームリダクションは減薬という意味ではなく、「政策」と言う意味合いが強いのでやや誤った使い方です。

 

以下歴史を振り返る内容ですのでいらない人は飛ばしてください。

ヨーロッパ、スペインがハームリダクションの発祥地

そもそもハームリダクションとはどこの考えなのか?

 

それはヨーロッパのスペインです。

 

地理的にも歴史的にもスペインはヘロインの使用が爆発的に流行し、過量内服の問題、HIV感染問題などが問題視されてきました。

 

元々は、薬物は「使わない」ことを前提にしていたのですが、上手くいかなかった背景があります。いわゆる、薬物使用者を排除するような動きになってしまい、抑圧的な戦略になり、問題を減らすと言うよりは、薬物使用者を孤立させより問題を深刻化させる結果となりました。

 

そこで、出てきた考え方がハームリダクションです。

 

ハームリダクションは、薬物を「使わない」という従来の目標から、過量服薬やHIV 感染などの薬物を使うことで起こる危険や害を減らすことを目的に視点を切り替えさせました。

具体的には、

  • ヘロインの変わりに医療麻薬のメタドンを摂取してもらう
  • 新しい注射針を運ぶワゴンを街に出す
  • 専門医療機関の窓口が薬物依存の患者向けに開かれた

 

こういったことを行うことで違法薬物を使った犯罪者、社会的制裁があって当然といった風潮から薬物使用の非犯罪化、公衆衛生上の問題、健康問題といった風潮に変わって行ったようです。

 

 

当初はハームリダクションの影響でより薬物使用や感染症が増えるんじゃないかといった声も聞かれたのですが、実際はそう言った悪い影響はほとんど起こらず。

  • HIV や肝炎は激減
  • 薬物使用者がプログラムに参加することで、違法薬物の使用、注射での薬物摂取が減少

こういったヨーロッパでの実績や研究でハームリダクションの有効性が示されたので、最近日本にもハームリダクションの考え方が輸入されているわけですね。

 

 

看護師がハームリダクションを看護で実践するときの注意点

看護師がハームリダクションを看護で実践するときの注意点は下の様なものです。

 

  • ハームリダクションは減薬という意味ではない
  • 「人」に焦点を当てること

順番に解説していきます。

 

 

ハームリダクションは減薬という意味ではない

ハームリダクションは減薬という意味ではありません。

 

ここを勘違いしている看護師が多いように感じたのでこの記事を書いています。

 

断薬、減薬に焦点をあてるのではなく、お薬を使用することで起こる害に焦点をあてるといった意味合いが強いのです。

ここをよく理解してハームリダクションの考えを看護に取り入れていきましょう。

 

 

ハームリダクションは「人」に焦点を当てること

ハームリダクションは人に焦点を当てるといっても過言ではありません。

 

つまり、依存にだけ焦点をあてて、「お薬をやめましょう」というのではなく、アディクション(依存)の背景にある複雑な家庭環境、本人の悩みや葛藤といったその人が抱えている困難はどのようなものがあるのか、なぜ薬物を使うに至ったかといった部分に焦点を当てましょう。

 

具体的には、

  • お薬を飲む背景をよく理解する、傾聴する
  • スティグマ、偏見をなくす
  • 居場所(NA)の紹介

 

「人」に焦点をあてて、なぜ其の行動に至ったのかを考え、行動を変えていくための具体的な支援を考えるのが看護の役割でもあるのかもしれません。

 

 

【まとめ】ハームリダクションの考え方を意識して薬物依存の看護を見つめ直す

ハームリダクションの考え方を、アディクション、物質使用障害の患者さんと関わるときにもっているだけでも患者の言動や行動の意味、背景などを陰性感情を持たずに考えることができそうですよね。

 

 

偏見やスティグマって意外と小さい頃の教育だったり、ドラマや映画からの影響も受けていることが多いので、もし自分も変な偏見とかないか心配っていう方は是非、こちらの記事も参考にしてください。

»看護師のあなたの薬物依存やアルコール依存症へ偏見やスティグマをなくすには?【正しい知識を付けて、その患者に会う事】

 

 

また、精神科って意外と面白いかもと思った方は精神科への転職もいいと思いますよ。ま、なかなか決意がいる職場かもしれませんが笑

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gussan

ハチ

副業ブロガー / 現役看護師【経歴】国立大学▶︎公務員(保健師)▶︎縦社会と副業禁止で退職決意▶︎精神科看護師▶︎3サイト運営するが月1万円収益で3年ほど彷徨う▶︎培ったノウハウを駆使してhachiblog立ち上げ●嫁1太郎1姫と暮らす
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