看護技術

【対策必須】興奮や暴力への看護・対応方法【躁うつや統合失調症患者】

2020年11月6日

【対策必須】興奮や暴力への看護・対応方法【躁うつや統合失調症患者】

ナースステーションで記録を書いていると突然怒責が聞こえ、患者が怒っていて対応に困った経験はありませんか。
精神科では日常茶飯事ですが、一般科にいるとなかなか興奮している患者への対応をする機会は少ないかもしれません。(むしろクレームをいってくる家族対応のほうが多いかもしれません)

今回は興奮している患者への対応方法を解説します。
一般科であろうと基本的な対応は変わりませんので参考にしてみてください。

 

看護のお仕事

興奮への看護・対応方法とは

 

初動対応

有事のときには初動対応が重要になります。それは興奮している患者への対応でも同じことです。興奮している患者と出くわした場合には、まず一人で対応せずに応援を呼び複数のスタッフで対応しましょう。その後、患者の周りから危険物をどかして、患者自身やほかの患者、医療スタッフに危害が加わらないように調整します。すぐに取り押さえるのではなく、ある程度自由にふるまっていただいて構いません。興奮しているときには周りが見えなくなっている場合が多いため、まず穏やかな声・態度で患者の話を聞くことから始めます。意外とこれだけで興奮が治まることもあります。他患とのトラブルであれば、患者同士で解決するのではなく、患者別で看護師が話を聞きます。その後お互いに興奮が治まったタイミングで謝罪の機会を作ったり、場合によっては部屋の調整や転棟の調整を行います。

  • 一人で対応せず応援を呼ぶ
  • 患者の周りから危険物を除去し、自由に振舞ってもらう
  • 穏やかな声・態度で患者の話を聞く

初動後の看護・対応方法

初動対応後には、患者がなぜ興奮したのか原因を観察する必要があります。そして、興奮を助長させないこと、セルフケア能力の不足があれば調整すること、感情の表出を助けることが重要です。

  • なぜ興奮したのか原因を観察する
  • 興奮を助長させないこと
  • セルフケア能力の不足を調整する
  • 感情の表出を助けること

順番に解説します。

なぜ興奮したのか原因を観察する

患者がどのような原因で興奮したかを精査する必要があります。まず、他の患者とのトラブル、家族との関係性での興奮であれば、双方をいったん遠ざけて、双方から聞き取りを行いましょう。
興奮している患者に意識障害がある場合には、脳CTや脳はなどの緊急検査をする必要があります。脳血管障害などの病気を否定するためです。
また、アルコール依存症による離脱症状、薬物による離脱症状の場合には、隔離室への誘導や精神科へのコンサルタントをしなくてはいけません。
そもそも精神科で、統合失調症、気分障害(躁うつ病)などによる興奮である場合には患者の話をよく聞くことが重要になります。

患者の言動、他の人との交流、意欲や活動量などを観察して、総合的に患者の興奮の原因を観察することが看護師には求められます。

興奮を助長させないこと

刺激を除去して患者理解に努める

ベースに統合失調症や気分障害がある場合には、患者が自分自身を過大評価している場合や幻覚幻聴に左右されての行動の可能性があります。幻覚による不安感や些細なことでイライラしたり腹立たしくなりやすい状態にあります。

看護師は、患者に対して批判的になったり説得や議論をしようとしたりしていけません。火に油を注ぐように患者の興奮はより一層強まってしまいます。
看護師は、興奮を助長させないように言葉を選びながら話し、他患との対人関係や環境による刺激を除去し、なぜ患者が興奮しているのか理解することが大切です。

患者が幻覚・妄想などの陽性症状からくる興奮であれば、病的体験から身を守ろうとして興奮している場合もあります。そのような場合には、看護師は患者への距離を急につめず、危険物を除去して保護的に見守り、恐怖や不安が増長しないよう、安心安全であることを患者に言語的、非言語的に伝えることが大切です。

安全で安心な環境を作る

興奮が著しい場合には、患者を個室へ誘導し、刺激がない状況で聞き取りを行います。患者に安全で安心な環境であることを伝え、なぜ興奮したのか聞き取りやすいようにします。
また、看護師は、患者から攻撃的な言葉などを浴びせられ、怒りや恐怖といった感情がわいてくると思います。しかし、看護師は誠実に患者の話を聞く態度が求められます。腕を滑の前で組んだり、後ろで手を組んだりすると防衛的、拒否的、威圧的ととらえられる可能性もありますので、開放的な姿勢をとり患者に緊張感を与えないように接する必要があります。

患者が座って話ができるのであれば、座る位置も意識しましょう。
患者と看護師の座る位置が並列か90度になるように座るとよいかもしれません。隣り合って座る並列座りは、患者の立場で興奮した理由や感情を共有しようということが伝わります。90度で」座った場合には視線を合わせることも、視線を外すこともでき、患者の緊張を和らげることができます。対面での会話でもよいですが、患者の視線が逃げる場所がなくなりかえって話しにくくなる場合もあります。

セルフケア能力の不足を調整する

興奮しやすい患者は、セルケア能力が不足している場合が多にしてあります。食事、排泄、清潔行為、睡眠、対人関係、休息などといったセルフケア行動を看護師が見守り調整することも重要です。睡眠不足や不潔な状況では興奮しやすくなるため、患者が心地よく生活できるようにセルフケア能力の支援を行うことで興奮せずに過ごせるように調整しましょう。

感情の表出を助けること

患者は、不安や不満、怒りなどの感情を言葉に出して表現できず、大きな声を出すことや物にあたるなどの興奮行為で感情表現をしている場合があります。
患者の興奮の原因がどこにあったのかを理解して、患者が感情を表現しやすくなるように環境調整を行いましょう。
例えば、怒りや興奮しそうになった時のSOSの出し方を相談したり、手紙やメールなどで不安や不満をしたためてもらったり、じっくりと話を聞く時間をつくるなど、患者個人個人で合う方法、実現可能な方法を検討しましょう。

最終手段の投薬による鎮静処置

興奮がどうしても治まらない場合には、経口投与可能なリスペリドン液やオランザピン錠、経口投与不可能な場合には、定型抗精神病薬のハロペリドールの筋注などの投薬による鎮静処置も検討すべきでしょう。精神科医師へのコンサルタントを依頼して、仮に投薬による鎮静処置が行われたのであれば、急激な鎮静作用による呼吸抑制や血圧低下などがないか観察を行い、頻回な観察を行いましょう。

 

 

暴力とは

精神科で仕事するとなると必ずと言っていいほど付きまとうのは、患者による暴力です。精神症状に左右されて、暴れている患者をイメージする人もいるかもしれませんが、殴る、蹴るなどの暴力に限らず、暴言も暴力に含まれます。また患者自身が自分を傷つける自傷行為や自殺未遂なども暴力となります。

できれば、看護師である自分も、暴力をふるう患者本人にも、暴力の被害にはあってほしくありませんよね?

今回は、暴力がなぜ発生するのかの原因や特徴を解説します。

 

 

暴力とは、「他者に対して破壊的であること」を指します。

暴力と一言でいっても、身体的暴力、精神的暴力、セクシャルハラスメントとにわかれ、いずれにしても他者に対して破壊的である行為には変わりません。

  • 殴る、蹴るなど身体的暴力
  • 暴言など精神的暴力
  • 性的セクシャルハラスメント

暴力は上記のようにさまざまな種類があります。暴力の重要な点は、暴力よる身体的な影響のみならず、精神的な心的外傷も与える点です。また暴力を受けた被害者と暴力を振るった

加害者という視点で見られがちですが、そこには、患者の精神症状や患者をとりまく環境などの影響を受けていることを忘れてはいけません。

暴力が起こる原因や要因とは

暴力が起こる原因には、患者自身の要因、患者をとりまく環境要因、患者からの暴力受ける他の患者や家族、医療スタッフの要因に分けることができます。

  • 患者自身の要因
  • 患者をとりまく環境要因
  • 他の患者、家族、医療スタッフの要因

順番に解説します。

患者自身の要因

暴力の原因として、一番大きなウェイトを占めるのは、患者自身の要因です。患者自身が精神症状に左右されて、興奮し暴力へはしっていることは、精神科ではよくあるケースです。

精神症状としては、幻覚・妄想、せん妄、躁状態などがあります。

幻覚ではナースが近づいてくることが白い怪物に襲われそうになっているように感じ、身を守るために暴力を振るうこともあります。

妄想では、この人に悪いことを言われているから許せないという被害妄想を修正できず、暴力に至る場合もあるでしょう。

薬物やアルコールによる離脱症状の焦燥感が高まり暴力を振るう場合もあれば、薬物やアルコールによる離脱せん妄による暴力もあります。

躁状態で思考がまとまらず、静止する看護師や家族の手を振り払おうとしたものが暴力と捉われることもあるでしょう。

精神症状によって、患者が暴力に至ることはよくあるケースです。とくに入院直後や隔離が長期に渡ると出現するリスクも高いです。

患者の精神症状はよく観察して対応できるようにしましょう。

患者をとりまく環境要因

自宅であれば、自分の部屋やリビングが汚れていることや動線が悪くて状態が悪くなることあるでしょう。また、患者がルーティーンとしている動作が妨げられると刺激になる場合もあります。いつも使っているものが、いつもの場所にないことや、いつも使っている道が工事で通れないなど環境要因はさまざまです。

他の患者、家族、医療スタッフの要因

患者のみならず、その周囲の人が原因となって暴力に至るケースもあります。

例えば、状態の悪い患者から心ない言葉で、暴力に至ることもあります。

また家族は、患者本人に近いからこそ厳しい言葉や仕打ちをしてしまい、患者の精神症状を悪化させてしまう場合もあります。

最後に医療スタッフ、とくに看護師の対応が患者を刺激することもあります。新卒看護師であれば、看護技術の低さから患者を刺激することもありますし、ベテラン看護師でも慣れているからこそ言動が軽率になることもあります。本人の精神症状が落ち着いていてもこれでは意味がなくなりますよね。

看護のお仕事

まとめ

暴力の原因や要因について簡単に解説しました。暴力の要因としては、患者自身の要因、環境要因、周りの人の要因の3つがあることがわかりました。裏を返せば、患者の刺激になっているところを改善すれば、暴力は最小限に留めることも可能であるということです。医師や看護師や家族など周りの意見だけでなく、患者が負担になっていること、ストレスになっていることを確認して、刺激を取り除く看護をできれば幸いです。

  • この記事を書いた人

ハチ

副業ブロガー / 現役看護師【経歴】国立大学▶︎公務員(保健師)▶︎縦社会と副業禁止で退職決意▶︎精神科看護師▶︎3サイト運営するが月1万円収益で3年ほど彷徨う▶︎培ったノウハウを駆使してhachiblog立ち上げ●嫁1太郎1姫と暮らす
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