看護技術

【忙しい看護師必見】拒薬や拒否への3つの看護を解説【結論:患者に目標を伝えてチーム対応】

2020年11月1日

【忙しい看護師必見】拒薬や拒否への3つの看護を解説【結論:患者に目標を伝えてチーム対応】
  • 「薬は絶対飲まない」
  • 「話しかけるな」
  • 「点滴や検査はすべて拒否します」

と言われて、どうしたらよいのか困ったという経験はありませんか。

 

精神科に転職して看護師をしはじめると、患者に拒否されたり、拒薬されたり、時には完全に拒絶されてしまったりということはよく出会う場面です。

管理人ハチ
現役精神科看護師のわたしもたびたび拒否に遭遇します。

 

そこで今回はどのように拒薬や拒食、拒否に対応したらよいのかについて下のとおり解説。

✔本記事の内容

  • 拒否、拒絶とは
  •  拒否の背景にある理由
  • 臨床での看護や具体的な対応方法

 

結論、拒否している患者に無理やり対応しようとしても無意味。具体的な目標を伝えたり、単純接触効果で信頼性を築いたり、不安を軽減したりしてとチームで対応するのが正解です。

 

この辺も踏まえて解説していきます。

 

 

精神科看護に興味のあるあなたは下の記事が参考になります。とくに一般科で残業に忙殺されている、患者とのコミュニケーションがなくてしんどい、看護師同士の人間関係に悩んでいる人は危険かも。下の記事で解説します。

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看護のお仕事

あらゆる要求や行動を拒否する拒絶とは

拒絶とは、ある要求や行動を求めた際に、相手が承諾せずに拒否することで、自分を守る防衛反応の一つです。
臨床では、お薬を飲むことは拒否する拒薬食事を拒否する拒食等の拒絶を目にすることが多いです。また、幻覚や妄想に左右されて医療処置や医療スタッフの介入を拒否する拒絶も見られます。

  • お薬を飲むことは拒否する拒薬
  • 食事を拒否する拒食
  • 医療処置や医療スタッフの介入を拒否する拒絶

お薬をのむことを拒否する拒薬

拒薬とは、内服を拒否することを指します。しかしその背景にある理由はさまざまで、ESPなどの副作用を心配して拒薬する場面もあれば、病識がなく「お薬を飲む必要がない」と感じているため拒薬することもあるでしょう。
患者の背景にどのような理由があるのか、その都度アセスメントして対応することが求められます。

食事を拒否する拒食

拒食とは、文字とおり食事や飲水行為を拒否することです。精神科においては、統合失調症や双極性障害などの患者でみられる症状の一つです。
前者は幻覚や妄想といった陽性症状に左右されて食事ができない、もしくはしたくないといいます。妄想により食事や飲み物に毒が入れられているのではないか(被毒妄想)と感じていたり、幻聴に「食べるな」「飲むな」と命令されて食事ができない場合などがあります。
後者は気分変動により「食べる」と言ってみたり、「やっぱり気分が乗らないから食べない」といってみたりして食事に集中できない場合もあります。また、躁状態であれば自分の爽快な気分を害されたことで拒食する場面も見受けられます。

統合失調症や双極性障害のほかに、摂食障害によって拒食する場合もあります。患者のボディイメージのゆがみにより食事をとることや体重が増えることに恐怖があり、拒食します。

さまざまな理由により食事を摂取できず、血液データや精神症状が悪化して食事をよりとれない場合には、隔離処遇や行動制限によって、点滴による補液も検討されます。

医療処置、医療スタッフの介入を拒否する拒絶

医療処置や医療スタッフの介入を拒否する拒絶もしばしば、精神科の臨床では見受けられます。その理由はさまざまで、統合失調症による幻覚や妄想といった陽性症状による拒絶もあれば、行動制限などによる精神科病院への陰性感情、不信感、疑念などにより医療処置を拒否することもあるでしょう。拒絶に対して高圧的な態度で接することはもってのほかですが、焦って患者との距離を急に縮めるとかえって拒絶が強くなる場合もありますので、患者がなぜ拒絶するのか、患者の考えや感情を確認しながら関わることが求められます。

拒絶の背景にある理由とは

拒薬や拒食といった拒絶の背景には必ず患者なりの背景や理由が隠れています。拒絶の理由としては以下のようなものがあげられます。

  • 病識がない
  • 薬による副作用への不安・恐怖
  • 幻覚や妄想といった病的体験
  • 希死念慮、自殺計画による薬のため込み
  • 医療への不信感・疑念

病識がない

精神科でよく問題となるのは、患者の病識の欠如です。重度の幻覚や妄想状態にあると、患者は自分の現在の病状や治療がどのようなものか理解できず、病識がもてないことが良くあります。また、精神病であることを認めたくないために、あえて病識を持たない、病気であると認めたくないという心理状態も内在しているケースも多くあります。米国精神医学会が調査した結果、重度の精神患者の約半数が薬を内服しないということも明らかとなっています。精神科は病識がもってもらうことが難しい点で他の一般科とは異なります。

薬による副作用への不安・恐怖

薬を内服することで錐体外路症状が現れて「元に戻らないのではないか」「こんな副作用があるなんて聞いてない」といった形で、副作用への不安や恐怖から拒薬するケースがあります。また、精神科薬を飲み続けると薬へ依存してしまうのではないかという不安や、精神科薬を飲むと頭がぼーっとして日常生活がしにくという理由から拒薬することもあります。お薬の副作用は、薬量を調整することで改善することを説明して主治医へつなぐことが大切です。

幻覚や妄想といった病的体験

「飲むな」「飲んでも変わらない」といった幻聴、「毒が入れられているかもしれない」「飲むと死んでしまう」といった妄想など、病的体験から拒薬することがあります。幻聴や妄想といった陽性症状をとるために内服は重要ですが、その幻覚や妄想から拒否するという場面はよく出くわします。内服の必要性や、病的体験をなくすために内服してほしいことを丁寧に説明することが大切です。

希死念慮、自殺計画による薬のため込み

自殺をしようと考えている患者の中には、内服したと見せかけて口から吐き出してお薬をため込んで、大量内服(OD)しようと計画している患者もまれにいます。服薬確認の際には、嚥下が行われたか、口の中の確認など、内服が確実に行われたかをチェックすることを忘れずに。

医療への不信感・疑念

本人の意にそぐわない隔離や行動制限などを行った結果、医療への不信感・疑念、医療スタッフへの陰性感情から拒絶を起こすことも少なくありません。医療保護入院、措置入院など精神科特有の入院形態もあるため、本人の意にそぐわないことを行うこともあります。患者は自分が尊重されている、自分の意見や感情、思考を尊重してくれていると感じられるように接し、医療処置への協力をあおぐのが基本となります。

 

拒薬や拒食、拒否への精神科看護師の臨床での看護や具体的な対応方法

結論、拒否している患者に無理やり対応しようとしても無意味。

拒否への看護や対応方法は下の3つにまとめられます。

  • 具体的な目標を伝える
  • 患者と看護師で信頼関係を築く
  • 不安を軽減のため環境調整やできることを検討

順番に解説します。

 

 

具体的な目標を伝える

拒否や拒薬をしている患者はただ単に拒否しているわけではありません。

先程もいったとおり、いずれかの背景で拒否しています。

  • 病識がない
  • 薬による副作用への不安・恐怖
  • 幻覚や妄想といった病的体験
  • 希死念慮、自殺計画による薬のため込み
  • 医療への不信感・疑念

 

どの理由にも有効なのが、看護師から患者へ退院に向けた具体的な目標を伝えることです。

例えば、

  • 隔離の状態がどうなれば解除になるのか
  • 身体拘束の状態がどうなれば解除になるのか
  • 退院のために必要なことは何んなのか

このあたりを明確にすると患者の拒否が取れることがほとんどです。

 

気難しい患者と思う前にあなたも考えてみましょう。

精神科は基本的に下のような形態での入院になることがほとんど。

  • 医療保護入院
  • 措置入院
  • 応急入院

基本的に本人が希望したから治療につながっている一般病棟に比べて、本人が希望していないのに無理やり入院させられていると感じている患者がほとんどです。

 

無理やり、強制的に連れてこられて入院になった状況で、「お薬を飲んでください」「隔離なので部屋に戻ってください」などと言われても拒否するに決まっています。

 

 

なので、最初にもいったとおり、まずは患者に目標を明確にして共有しましょう。

 

このあたりのコミュニケーション技術はLEAPが参考になります。

精神科看護師の必須コミュニケーション技術『LEAP』を徹底解説
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患者と看護師で信頼関係を築く

患者と看護師で信頼関係を築くことも重要です。

あなたがわけもわからないひとから

怪しむ人
このジュースおいしから飲んでみなよ・・・ウヘヘ
と言われたらどうですか?

飲みたくありませんよね。

 

患者の状態で言えば、幻聴や幻覚、思考混乱で私達看護師も怪しい人に見えているもの。

混乱している状況で、『お薬を飲んでください』といっても拒否します。

 

まずは、信頼関係を築くこと=ラポール形成が重要です。

 

信頼関係を築くというと大げさに聞こえますが、基本的には以下のことを意識。

  • 単純接触効果=めっちゃ会いにいく
  • 傾聴=基本的に相手の話に共感しつつ効く

2つだけでOKです。

 

いきなり来た人に「薬飲んでください」と言われるよりも、お茶を汲んできたり、Nsコールにすぐにいったりして顔を覚えてもらった人、もしくは1時間くらい話を聞いてもらった後にお薬を勧められる方が成功率はぐっと高まります。

 

精神科看護では看護師と患者との信頼関係が重要です。

 

不安を軽減のため環境調整やできることを検討

不安を軽減するために環境調整したり、看護師ができることを検討するのも大切です。

 

例えば、

覚醒剤やお薬で依存をするのが怖いと訴えているのであれば、主治医に確認の上で、錠剤の写真付き本を見せつつ、薬効や副作用を説明する。

のもよいですよね。

 

拒否の背景にある理由に注目してその不安や不満を取り除ければ拒否がなくなるという考え方です。

 

環境調整って大げさですけど、患者目線で看護師が寄り添う、「あなたのことを心配している」ということが伝われば患者も揺れ動くものです。

 

 

拒否していることを無理やり従わせるような看護は看護ではありません。

  • 患者の状態
  • どういう背景での入院か
  • 家族との関係は?
  • 拒否している理由は?

上のとおり具体的に何が拒否の理由なのかをよく考えましょう。

 

その上で不安や不満の原因を取り除いていけば拒否も取れてきますよ。

 

 

 

看護のお仕事

まとめ

拒絶について簡単に解説しました。拒絶の背景にある患者の拒絶する理由を理解しようと努力することが重要となります。患者自身も自分が尊重されている自分のことを考えての行動であるとわかれば協力を得られることも多いので、辛抱強くかかわりましょう。

 

精神科看護に興味のあるあなた。こういったしんどさを抱えていませんか?

  • 先輩のパワハラ、言動がきつい
  • 一般科での仕事が残業だらけで物理的に終わらない
  • 休みをとるのに制限があり、師長からもグチグチ言われて取れない

 

こういった状態は危険かも。

まずは環境を変えるために知識をつけましょう。精神科なら一般科のような忙しさもないですし、看護師同士が協力して看護をしていく雰囲気も強いので看護がやりやすいですよ。

参考【2020年版】精神科看護師への転職マニュアル【結論:ラクに看護できます】 

  • この記事を書いた人

ハチ

副業ブロガー / 現役看護師【経歴】国立大学▶︎公務員(保健師)▶︎縦社会と副業禁止で退職決意▶︎精神科看護師▶︎3サイト運営するが月1万円収益で3年ほど彷徨う▶︎培ったノウハウを駆使してhachiblog立ち上げ●嫁1太郎1姫と暮らす
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